味の素:賞味期限「年月」表示の取り組みを拡大
2017.07.07
味の素は、賞味期間が1年以上の家庭用商品品(調味料・加工食品・甘味料)のうち、賞味期限の表示を「年月日」から「年月」へ変更する対象品目を2017年8月から拡大し、あわせて賞味期間を延長する。これにより製・配・販連携によるサプライチェーン全体での"フードロス削減"や"物流効率化"を目指すものだ。
国内フードロスは年間で約621万トン(2015年農林水産省推計)と、世界の食糧援助量約320万トン(2014年国連世界食糧計画調べ)の約2倍となっている。
2015年の国連持続可能な開発サミットではSDGs(持続可能な開発目標)として2030年までにフードロスの50%削減を決議しており、食資源の有効活用に対する社会的な関心が高まっている。また構造的な若年労働者不足で、国内食品業界は製・配・販3層でトラックドライバー・倉庫作業従事者の不足が課題である。
同社は、経済産業省の「製・配・販連携協議会」(2011年?)、農林水産省の「食品ロス削減のための商習慣検討ワーキングチーム」(2012年?)に参画しており、製・配・販連携での「賞味期限の年月表示化」「賞味期間の延長」「納品期限の最適化」の取り組みを通じ"フードロス削減"と"物流効率化"を検討してきた。
その第1弾として、2017年2月から惣菜中華の素3品(「味の素KKふんわりかに玉の素」「味の素KK麻婆春雨〈甘口〉」「同〈中辛〉」)の賞味期限の表示を「年月」へ変更し、第2弾として2017年8月から対象品目を拡大するものだ。
賞味期間が1年以上の家庭用73品目の賞味期限の表示を「年月」へ変更し、あわせて賞味期間を延長する。今後は、残る約90品目を対象に「年月」表示への変更を進め、2019年度をメドに移行完了を目指すものだ。「年月」表示への変更で、店舗や倉庫での管理対象ロット数の減少や保管スペースの極小化のオペレーションの簡素化が期待できる。