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大日本印刷:無菌充填システムの殺菌制御ソフトを開発

2017.10.17

 大日本印刷(DNP)は、PETボトル飲料などの無菌充填システムで、商品切り替えの際に充填作業の前処理として行う、機器の殺菌工程の時間を最大1/2に短縮する制御ソフトウエアを開発した。機器の殺菌時間を短縮することで、PETボトル飲料の生産効率の向上と、CO2の排出量削減による環境負荷の低減を実現するものだ。
 飲料市場での多品種少量生産の要求に対応し、1台の無菌充填システムで生産する商品アイテム数が増加している。充填商品を切り替える頻度が高く、その際に前処理として行う、飲料の殺菌等を行う液処理機器や充填機器の洗浄?殺菌の工程の時間短縮が求められていたものだ。
 これまで無菌充填システムの機器を殺菌する際、蒸気や熱水で飲料タンクや配送管を加熱し、液処理機器や充填機器内の10?20ヶ所に設置した全ての温度計値が130℃になって30分間、温度維持した状態で殺菌を行っていた。そのため、殺菌開始から機器が常温に戻り、充填開始までに約1時間かかっていた。
 同社は、45年以上にわたる無菌充填システムの開発・販売を通じて培った最先端の技術・ノウハウにより、従来と同等の殺菌効果が得られる条件を設定し、殺菌時間を最大50%短縮する制御ソフトウエアを開発したものだ。ソフトウエアの導入により、従来1時間かかっていた殺菌時間を約30分間に短縮し、大幅な生産性の向上を実現する。
 例えば、切り替え作業を年間300回行っている工場では、年間で約150時間の短縮が可能である。時間短縮で、殺菌処理の際に発生する熱エネルギーやCO2の排出量も削減され、環境負荷の低減にもつながる。
 同ソフトウエアは、PETボトル飲料や紙容器、パウチ包装やポーションパックなど、全ての無菌充填システムに対応する。関連する技術についても、複数の特許を国内(7件)と海外(米国・中国で各1件)で取得している。
 同社では、食品や飲料メーカーなどの無菌充填システムを保有する、また導入を予定している企業向けに販売し、2022年までに年間20億円の売上を目指す考えである。