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DNP:特定の臭いを吸着する機能性包材

2017.12.09

n_20171209_03.jpg 大日本印刷(DNP)は、アルデヒド系やケトン系の臭気を吸着して取り除く「臭い吸着包材(アルデヒド・ケトン用)」を開発し、2017年12月から発売してすでに複数の医薬品メーカーの高血圧治療薬の錠剤用PTP包装材として使用される予定である。
 2015年9月に、時間経過とともに発生する"アウトガス"の特定の臭いを吸着する材料を添加した機能性フィルムを使用し、不快な臭いを吸着する包装材を開発したものだ。今回、臭い吸着性能について複数の医薬品メーカーから高い評価を得て、高血圧治療薬の錠剤用PTP包装材として採用されたものだ。
 高血圧治療薬の錠剤は、水分と反応して不快な臭いのケトン成分を発生させるため、その臭いが患者の服用阻害の要因となっていた。そこで、特定の臭いを吸着する材料をフィルムに添加した包装材で、臭いの成分となるアウトガスをフィルム吸着して取り除くものである。
 これによりパッケージの開封時にはほぼ無臭で、臭いによる不快感を軽減する。ガス吸着評価実験では、不快臭ケトン成分がフィルムに吸着され、24時間後にガスがほぼ100%フィルムに吸着されることが確認された。一度吸着した臭気成分は再放出されないため、継続的に効果を得ることができる。
 医薬品パッケージに使用することで、消臭剤などの小袋中に入れる必要がなく、消臭剤の誤飲問題を解決する。同吸着包材はアルデヒド系やケトン系の臭気のほか、滅菌処理臭や樹脂分解臭などの吸着にも効果がある。同社では、医薬品分野での販売を通じて、2020年度には3億円の売上を目指している。