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サステイナブルな視点でのプラボトル設計に注目
Danielle Rousseau氏
INFOPRO/Directrice Commerciale, Sales Manager
----- 「LUXE PACK SHANGHAI」の視察・取材はこれで2回目となります。お招きいただき、ありがとうございました。今回は日本から視察団として訪問させていただきました。前回開催に比べてさらに質の高い、落ち着いた雰囲気と内容になっていることを実感しました。"LUXE PACK(高級品パッケージ)"となると、本誌の携わる包装全般からすればかなり限定したものになります。
ですが、単に全体の一部といったイメージはなく、非常にコンセプトを重視した先鋭的な展示会だと思っています。もちろん本誌は何かを"限定"することはありませんが、コンセプトでは共通するところを感じています。これまで世界の代表的な包装専門展を視察てきましたが近年、"すべてのソリューションを集結する"といったスケールメリットの訴求にはいき詰まりを感じます。
Rousseau氏) 「LUXE PACK」を深くご理解いただき、ありがとうございます。ご承知のように「LUXE PACK」は、上海とともにモナコとニューヨークで開催しています。それぞれの展示会は、「LUXE PACK」としてのグローバルなトレンドを先取りしたものであるとともに、ローカルニーズを鋭敏に反映した展示内容になっています。
その点にスケールメリットではなく、イノベーションやクリエイティブといった"質"を追求した、「LUXE PACK」の特徴がよく表れていると思います。それは、展示内容だけではなく、実際にも質の高いビジネスに結びつくよう、出展社だけでなく来場者においても吟味して選択しています。その点では、日本のマスメディアとしてジェイパックワールド誌を選ばせていただきました。(笑)
----- 光栄です。ありがとうございます。先ほど本誌は「限定しない」と言いましたが、実は1つだけ例外があります。今回視察団として訪れているのは、「ジェイサロン」という本誌が主催する"女性だけ"の学びの集いのグループです。本誌は男女平等を基本としていますが(笑)、あえて女性に限定したのは、日本の包装産業ではまだ活躍する女性が少ないからです。
日本の包装界で、「ジェイサロン」が先鋭的な存在となって、女性の活躍の舞台を広げることを目指しています。"女性"という点を除けば、ここが「LUXE PACK」と共感する最大のポイントだと思っています。さて本誌は、パッケージ分野においても日本をはじめ中国、アジア、グローバルな次元で大きな転換点に立っていると思っています。
Rousseau氏) 同感です。先ほど指摘された包装専門展でのスケールメリットの限界といった点も、その1つでしょう。パッケージだけに止まらず、人口減少や少子高齢化といった需要構造の変化への対応は、欧州だけに止まらず先進国に共通した課題です。引いて言えば、ここ中国をはじめとした新興国でも急速にそうした状況に近づきつつあります。
近年、欧州諸国でも日本と同様に個装化やサイズダウンなどパッケージの多様化が急速に進んでいます。その点では、日本のパッケージへの関心は高まっていると思います。「LUXE PACK」では今後、ジェイパックワールド誌のご協力をいただきながら、さらに日本からの来場者や日系企業の出展に注力していきたいと考えています。
----- 「転換点に立つ」という認識を共有できて、嬉しく思います。いよいよスケールメリットから"質"を求める時代に入ってきたことを実感します。その点、「LUXE PACK」と本誌が目指す方向は軌を一にしています。そのことの成否の判断は時に任せるとして、是非とも協力関係を強めていきたいと思います。
さて、前回・今回展示ともに"環境配慮"といった点に重点をおいていますね。中国でも今年(2012年)2月に「過剰包装禁止」する法規が可決されました。実体が伴うかは別としても、需要構造の変化と同じく"環境配慮"も先進国だけに止まる課題ではないということでしょう。
Rousseau氏) その通りだと思います。先に触れましたイノベーションとクリエイティブに加えて、"サステイナブル"はもはやグローバルなトレンドとして定着したと言えるでしょう。 この「定着」といったことが大切で、パッケージでの素材選択や機構・構造設計、デザイン制作といった点でも、サステイナブルな視点が不可欠となるということです。いうまでもなくパッケージほど生活者が、身近にサステイナブルを実感でき、そこに参加できる機会となるものは他にありません。
素材にフォーカスすれば、「LUXE PACK」の展示内容では比較的多い紙やメタル、ガラスといったパッケージはサステイナブルといえるものです。ただしパッケージでのサステイナブルを考える場合には、たとえば各国における生活スタイルにはじまり、物流や流通・販売、リサイクルシステムなどを考慮しなければなりません。ましてや、先に触れたパッケージを支える需要構造はグローバルに大きく変化してきています。
こうした点からも、特に「LUXE PACK SHANGHAI」での展示内容ではプラスチック素材が増えてくると考えています。イノベーションやクリエイティブといった点でもプラスチックパッケージの動きは今後、非常に注目されると考えています。その点でも、是非とも日系および日本企業の参加を期待しています。